優しさかエゴか偽善か
とある雨上がりの話
夜11時頃、コンビニに夜食を買いに行った
その帰りの出来事
店を出て家に向かって歩いていると、鳥の鳴き声のような音が聴こえた
こんな夜に鳴いてるなんてどんな鳥なんやろ
そんな軽い気持ちで家とは違う方向の鳴き声のする方に歩いていく
近づくにつれて、その鳴き声が鳥以外のなにかであることに気づく
音源付近に到着するも、姿が見えない。
草むらでも家でも車の下でも無さそう…
そして解ってしまった
鳴き声は地面の中、マンホールから聴こえていることに
恐らく子猫だと思われる鳴き声
くしゃみもしているようだ
近くの側溝を見ると、マンホールに続いているだろうパイプが見えた
そこから声をかけると、鳴き声が近づいてくるのが分かったが、姿は見えない
困ったときはお巡りさんだ!ということで、警察署に電話をした(110番に非ず)
いや、こんな軽いノリでは無かったな
ともかく要件を話し、この場合の連絡先はどこになるのかを問い合わせたら、お巡りさんが来てくれることになった
お巡りさんを待つ間、パイプに向かって声をかけ続けた
その間に、鳴き声がだんだん減っていき、動く足音も少なくなっていった
あ…あかんか…と思っていたらお巡りさん到着
話を聞くと、お巡りさんの力ではマンホールは開けられず、開ける道具も無いとのこと
ただ、本署と連絡を取って可能な限りのことはしてくれるそう
そんな話をしている間に、鳴き声は聞こえなくなってしまった
お巡りさんに後を託し、僕は帰路につく
可能な限りはやったよな?という思いと、もし目の前で助かったとしても、家で飼うことは出来ないので保健所送りを見届けるだけだよな?それって本当に救ったことになるのか?みたいな自分がいた。
マンホールの中よりは保健所のほうがいいだろ!と思ったけど、それって僕の勝手な考え方だよねーーー
お巡りさん待ってる間も、鳴き声の主に声をかけ続けてたけど、結局助からないなら、希望を持たせるだけの残酷な行為をしてしまっただけなのかなーとか
いやでもね?なにもせず帰ったらそれはそれで僕は確実に後悔してるよ??
それって結局自分が後悔しないためにやってるんじゃ?自分のためにやっただけで助けるためにやった訳じゃないし、そんなエゴにお巡りさんと鳴き声の主を巻き込んでしょーもな!
とかとかぐるぐる数日間頭から離れなくてツラッてなってた!!!
けどこの物語はこの日記で完結です
僕は僕ができることをやりたいようにやった
理由はどうであれ、僕なりに命を救おうとした
それに良いも悪いも無いじゃない
お巡りさんも仕事の範疇で来てくれただけだから、大きな迷惑をかけたわけではないだろうし
だから終わったことを考えるのは止める!